コラム『オリンピックに出場するには？』vol.14
本年2024年もパリオリンピックがフランスにて開催されます！
オリンピックイヤーです！
ご存じの通り、オリンピックは世界最大規模のスポーツ大会で、
出場出来る選手数は限られ、世界トップレベルの国を代表した選手しか参加出来ません。
出場する事自体が非常に困難な大会がオリンピックです。
ではどの様にすればオリンピックに出場出来るのでしょうか？
競技によっても選考基準は違いますが、現在のオリンピックは国の代表になっただけでは出場は叶いません。
まず、オリンピックに出場する為にはもちろん、国の代表にならなければなりませんが、
そこから競技によっては4年掛けて世界ランキングに入り、それを上位に上げていき、
世界ランク6位以内等に入らなければなりません。
世界ランキングに入れなかった選手は大陸別選手権大会に回り、
例えばアジアで2位以内に入らなければ出場出来ない等、
大陸予選を勝ち上がらなければなりません。
各国の代表選手を破って各大陸で決勝まで進まなければいけないのです。
そしてそこで上位に入れなかった選手は世界最終予選に回り、
各大陸別予選で決勝進出が出来なかった選手が最後のチャンスとして世界最終予選○位以内に入れば出場可能！
となります！（※競技によって違います）
非常に狭き門です！
また多くの競技が通常の競技とは違うオリンピック階級やオリンピック標準記録、
年齢規定（例えば14歳以上や23歳以下等）を定めているので、
普段実施している階級が無かったり、合併されたり、
4年という周期が、選手にとっては通常よりも非常に出場を困難にしています。
出場枠の制限が更に困難に！
例えばボクシングやテコンドー、レスリングは通常の体重区分が例えば12階級あるとすれば、
オリンピックになると4階級に合併されるなど、
前後の階級のチャンピオン同士で出場枠を争わなければならないといったケースがあります。
また陸上や水泳もオリンピック標準記録を破らなければいくら国内王者だとしても出場する事が出来ません。
世界ランキング制を取り入れている競技が増えた事で、
本当に世界のトップ選手しか出場できなくなってしまいました。
例えばプロボクシングには階級が17階級（男子）あります。
そして世界の主要団体が4団体あります。
つまり世界チャンピオンが同じ階級に4人いる事になります。
しかもそれだけではなく、世界王者が怪我をして試合から遠ざかった時の為に暫定王者を設けております。
ということは同じ団体の同じ階級に2人の世界王者がいます。
そして5度以上防衛した世界王者はスーパー王者となるケースもあり、
同じ階級に3人の世界王者がいるケースもあります。
それが4団体あります。
それに対してアマチュアボクシングは10階級しかありません。
更にオリンピックになると7階級（パリオリンピック）に減ります。
つまりプロ17階級、オリンピック7階級と10階級もの階級差があります。
プロボクシングにはジュニア（ライト）階級やスーパー階級があります。
例えばスーパーバンタム級、ライトヘビー級等。
アマチュアボクシングに比べて更に細かく体重区分されています。
アマチュアボクシングで言うとプロの2～３階級が合わさった1階級がアマチュア階級です。
ということはアマチュアボクシング王者1人に対してプロボクシングは同じ階級で前後の階級を合わせ、
レギュラー王者、暫定王者、スーパー王者含め、
4団体あるので12人～24人の世界王者がいる事になります。（※スーパー王者がいない階級もある為）
更にオリンピックを比較に出すとオリンピック金メダリストは一人に対し、
プロの世界王者は約30人程にも膨れ上がります。
これはプロが上だとか、アマが上だとか、どっちが価値があるのか等と言っているのではなく、
如何にオリンピックで金メダルを獲得することが難しい事かを物語っています。
オリンピックでの金メダル獲得を非常に困難にしている理由の一つが出場枠です。
オリンピックには全選手役員を含め、参加人数が決まっています。
それに対し、競技数、種目数が増加した経緯があり、
全体の参加人数の中での割り振りとなってしまう為、
出場制限が設けられ、より困難なものにしています。
４年周期という期間自体もアスリートのレベル維持に影響を与えています。
世界トップレベルの競技力を４年間維持する事は非常に大変です。
また何処でどの選手が、どの時期に台頭してくるかも影響があります。
前年の世界選手権では優勝しているのに、
オリンピックではメダルが獲れなかったというケースも多分にあります。
それは高度に進んだ分析力も影響を及ぼしています。
オリンピックは国の威信をかけたスポーツの祭典で、国家がアスリートを支援しています。
現在オリンピック種目である競技には多くAIも導入されており、
分析力が格段にアップしています。即ち、直ぐに対応されてしまうのです。
選手はその上をいかなければなりません。
オリンピック選手は基礎体力、競技体力、技術力、精神力（メンタル）、気力、が必要な事は勿論ですが、
分析力、戦略、戦術、計画力が無ければ、世界を勝ち抜く事は非常に困難だといえます。